池田の森|ユルレポ

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田舎と街の雰囲気を、ゆるやかに同居
「エコロジー団地 池田の森」

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 静岡県静岡市にある「エコロジー団地 池田の森」(以下 池田の森)」は自然を身近に感じられるよう農地を再生し、畑を介した風通しのいい安全なコミュニティーをつくるという考えで、日本初の分譲型エコビレッジとして開発されました。13,000㎡の団地の中心にある300坪の農園の周りに、35戸の戸建住宅、オフィス・アトリエ棟、ベーカリーカフェ、子供服のショップなどを配置し、田舎の景観と街をゆるやかに同居させています。

ike_09.jpg開発者の漆畑さん(左写真)は約10年間構想され、2002年開発スタート、2004年に家が建ち始めました。住宅の色や素材、家の周りを壁で全面を囲わない等、規制しすぎない緩やかな協定を住人の方達と結んでいます。

 現在19区画の畑があり、利用者で「池田の森農園クラブ」を作っています。畑(下写真1)は無農薬が基本のエコガーデンで野菜の支柱も竹や麻ひもで製作しています。街路樹の落ち葉などを入れるコンポスター(下写真2)も自然の材料でお父さんたちが作りました。山がすぐ近くにあるため、竹やつるなどは簡単に手に入るそうですよ、うらやましい環境ですね。団地の真ん中にある田んぼでは毎年住人も参加し田植えや稲刈りを行っています(下写真3、4)。収穫したお米でお餅つきもしているそうです。大人も子供も一緒に楽しめるすばらしい時間ですね。「遊ぶ場所があると、子供たちは年齢をこえてみな一緒にあそぶんだなぁ」と漆畑さんは笑顔で話してくださいました。

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 畑の横には発電風車(上写真5)があり、歩道の街路灯電力をまかなっています。風車は団地内のアクセントにもなっていますね。車のスピードを抑えるため道をギザギザ(ボンエルフ)にし、歩道がなくても街路樹を植えることが出来るようになりました。道路脇の柵も間伐材利用の丸太で作られており景観に配慮しているうえ、ちょこっと腰掛けるベンチにもなっています(上写真6)

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 団地の中と外をつなぐ石畳の小径がそこここにあり、それらはゆるやかなカーブを描いているため奥が見えそうで見えないちょっとワクワクするような作りになっています(上写真7、8)。小径の両側には多種多様な季節の花が溢れんばかりに咲いていました(上写真8)。また、地内には小さな公園がたくさんあり、季節の花や実のなる木が植えられ緑豊かな景観をつくりだしていました(上写真9)。貯水池の上まで藤棚公園(下写真10)になっていましたよ。池田の森の中には、ベーカリーカフェ(下写真11)や、子供たちが集まったり、お母さんたちがヨガを楽しむアトリエがあり、団地内外との交わりの場所になっています。

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 とても穏やかな気持ちになる空間でした。オフィスから見える畑も絵になり時間を忘れてしまいそうでした。規制もすべて緩やかなためか構えられたエコビレッジという固さがまったくありませんでした。道路のちょっとした工夫や、歩くと四季を感じられる植物がはえていたり、公園の柵が木製など漆畑さんの細やかなこだわりがとても自然に馴染んでいるところがとにかく素敵でした。ここでどう遊ぼうか、などわくわくしながら考えてしまいました。日本の原風景を残しつつ、でも静岡市街から遠すぎず近すぎずの良いバランスで生まれる新しい雰囲気、押し付けるのではなく自然に自然と人が関われる環境作りがこの池田の森にはありました。(ハズキ)

 環境に配慮しつつ、非常にセンスよい街の雰囲気を作り出していて感激しました。漆畑様からは、この土地を人と人のつながりを大切にした美しい場所にしたい、というお気持ちがよく伝わるお話を伺う事が出来ました。当日、静岡は非常によいお天気で、春の花々も沢山咲き出しており、とても幸せな気分で滞在させていただきました。(ミサ)

2012.5 編集・取材 ハズキ、ミサ

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