キャリア女性のこれからの暮らし
ユルツナ女子会
今までの「ユルツナ大学」では、つながりのある暮らしや働き方を実践しているトップランナーの方々からお話しをうかがってきました。今回の新しいコーナーでは、つながりのある暮らし方や働き方に興味がある方々に座談会形式でお話しをうかがい、居住者視点での課題や可能性を探ろうと考えています。記念すべき第一回目は、40歳代〜50歳代のキャリア女性にお集まり頂きました。和気あいあいとした朗らかな雰囲気の中、皆さんの本音トークから日本の高齢化社会の縮図が浮かび上がってきました。ではユルツナ女子会の始まりです。
Q:自己紹介と今後の暮らし方について
Tさん:学術雑誌の編集アシスタントをしています。現在、50代半ばで独り暮らしをしています。数年後に定年を控えているので、今後の暮らし方についていろいろと考えているところです。今の心配事はマンションのローンをどうしていくかで(笑)、そのまま住むのか、それとも売却して田舎に帰るのか。田舎の身内に近いところでの暮らしも考えたのですが、やはりそれぞれ生活のリズムの違いもあるので、今の独り暮らしの方がいいのかなと思っています。
それで、やはりこのまま東京で暮らす方がベターかなと思っています。友人が一戸建てに暮らしているのですが、将来的にはそこをシェアしようかという話もあり、そうしたつながりのある暮らしも選択肢の一つになっています。そもそも女性の場合は、結婚して子供がいても、最終的には1人になる可能性が高いですからね。ただ、友人とはいえ一緒に暮らすのはお互いそれぞれに少し窮屈かもしれないと思っていて、出来れば徒歩圏内もしくは隣駅くらいの距離で近くに住むような暮らし方がいいのかなと思っています。
それと歳を重ねていくとやはり都心に住む方がいいんじゃないかしら。多少足が悪くなっても、都心であれば、電車やバス、またタクシー等を利用して気軽に、新宿や銀座等にもお芝居を観にいったり、ショッピングや食事にもいけますし。それに郊外の一戸建てだと管理するもの大変なので、やはり都内のマンションの方がいいですね。
Oさん:建設関連の会社に務めていて、現在48歳です。会社のプリンティング(設計図面・社内研修資料印刷)をしています。今、都内の実家で一人暮らしをしていて、妹と弟は結婚しているので別に暮らしています。以前、父のために介護施設を探した時、どこもアクセスが悪くて苦労しました。出来れば、介護施設は都心で駅から近い方がいいと身に染みました(笑)そうすれば家族が会いに行くのが楽ですしね。自分は70歳過ぎたら自動車を運転する自信がないので、アクセスの良い所に住みたいです。極端ですけれど都心の駅のすぐ上のマンションとか。病気になったときでも都心であれば大学病院や大きな総合病院がたくさんあるので安心ですよね。
そういえば、空家になった叔母の家をどうしようかと不動産屋に相談したとき「シェアハウスで貸しませんか?」と言われてびっくりしました。そういう選択肢が普通に出てきて、ニーズもあるのだなあと。でも、ライフスタイルが異なるもの同士が一緒に暮らすのは難しいのかなと思っています。私、犬を飼っているから…。
以前、近所の方に日中の父の様子をみてもらったことがあり、有難く助かったなぁと思いました。最近、「何かあった時に不安だから」と近くに住む友人の鍵を預かっています、『遠くに住む兄弟より近くの友人』そういう感じで近所の人と助け合いながら生活したいですね。また、父の遺品の写真や趣味で集めたモノの整理が大変でした。本人にとっては“いいもの”、でも周りから見たら“どうでもいいもの”(笑)60歳を過ぎたら「老い支度」で老前整理を始めたいと思っています。
Aさん:40代で夫と二人暮らしをしています。8年前に一戸建てを買いました。お隣とは親しくさせて貰っています。現在は、今まで働いていた保険会社を退社して、定年のない仕事を作りたくて、結婚式等の司会、ナレーターなどの依頼を少しずつ頂いています。以前は、老後は海外のリゾート地に別荘を持って暮らそうかと夢を見ていましたが、現実的に考えるとなかなか難しくて。今は、今住んでいる家で死ねればと思っています。だから住んでいる家の地域のコミュニティに入ってつながりをつくらなければいけないなと考えています。まだ何もしていませんが。もし自分1人になって心細かったら姉が一緒に暮らしてくれるといいなとも思います。
Mさん:建設関係のIT会社に勤務しています。両親が亡くなり、マンションで一人暮らしの51歳です。老後の生活が安定できるように、また、社会とも関わっていたいので定年後も働ける仕事を模索中であると同時に自分磨きをしています。最近、医者から遠近両用白内障手術を進められているのですが、やはりパソコンを見続けるのが辛くて今の仕事を長く続けるのは難しいのではと悩み中です。
老後は、高校時代の先輩たちと一緒に暮らすことを検討しています。最初は、子供が二人いる夫婦の一戸建て(各一部屋割当てあり)に皆で住もうと誘われましたが、お子さんへの財産分与もでてきますので、5人で同じマンションに住めるといいねと今はこの案で落ち着いています。ヘビースモーカーもいるので、生活は別々の方がいいし、話し合っていると困った時に助け合える距離にいたいことが一番の望み、次に寂しさと解ってきました。あくまで同じ部屋ではなく、別々の部屋に住むというイメージです。でもコミュニティルームなど皆が集まる空間は欲しいですね。また介護状態になった時のために、介護施設や病院がマンションの近くに合って欲しいし、あとは要介護になった時は介護施設への転居とマンションを売却してくれる仕組みが欲しいですね。管財人を個人で頼むのは難しいので、そのマンションに担当の管財人がいれば安心です。